18世紀の数学者 レオンハルト・オイラー は、「整数だけを使って方程式を解く」という問題に、生涯を通して取り組みました。
1764年に発表された論文
『De resolutione formularum quadricarum indeterminatarum per numeros integros』
(「不定二次式を整数によって解くことについて」)は、その探究が一段階、一般化された形で現れたものです。
扱われているのは、どんな問題か
この論文で扱われているのは、たとえば次のような形の式です。
$$ax^2 + bxy + cy^2$$
ここで問われるのは、
- この式が 平方数になるような整数 $x, y$ は存在するか
- 存在するとしたら、それを 体系的に見つける方法 はあるのか
という問題です。
重要なのは、解を分数や近似で求めるのではなく、最初から最後まで整数で処理する点にあります。
個別問題から一般理論へ
それまでの研究では、
- ある特定の方程式を
- その都度工夫して解く
という方法が主流でした。
オイラーはこの論文で、
二次式の形そのものに注目すれば、解き方を一般的に整理できるのではないか
と考えます。
その結果、
- 「ある条件を満たす二次式は、必ず整数解を持つ」
- 「一つの解から、別の解を次々に作り出せる」
といった構造が明確に示されていきます。
ディオファントス問題とのつながり
この論文は、1738年の
『ディオファントス問題を整数で解く』(E29)
で試みられていた方法を、より洗練された形で引き継いでいます。
個々の問題を解く段階から、「なぜ解けるのか」を説明する理論へと進んでいる点が、この論文の大きな特徴です。
平方数の和の理論へ
ここで扱われる不定二次式の理論は、
- 二平方の和
- 四平方定理
- 数の分解理論
へと自然につながっていきます。
「平方数の和」は、突然現れたテーマではなく、こうした二次形式の研究の中から育ってきたことが、この論文からよく分かります。
数学史的な意義
この論文が示しているのは、次のような数学観です。
問題を解くことよりも、解ける理由を一般の形で説明することが重要である。
オイラーは、不定方程式の研究を「技巧の集まり」から「構造を持った理論」へと押し上げました。








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