素数は無限に存在する
素数が無限に存在する方法は多数ありますが,今回は,紀元前の数学者であるユークリッドによる証明方法を紹介します.
証明に使うのは背理法です.
(証明)素数$p_{i}がn個(有限個)存在したとする.$
$$p_{1}, p_{2}, p_{3}, \cdots, \ p_{n}$$
ここからがユークリッドの考え方のすごいところになります.
$n個の素数をすべて掛けた数に1を加えた数を新たに考える.$
$$Q=p_{1}\cdot p_{2}\cdot p_{3}\cdots p_{n}+1\cdots①$$
そうすると,$Q$は合成数か素数のいずれかとなる.
(ⅰ)Qが合成数のとき
$Qはp_{1}, p_{2}, p_{3}, \cdots, \ p_{n}のいずれかで割れるはずである.$
$しかし①の右辺はQをP_{i}のいずれで割っても1余るので合成数であることに反する.$
(ⅱ)Qが素数のとき
$Qは,どの素数とも異なるため,これは素数がp_{1}, p_{2}, p_{3}, \cdots, \ p_{n}のn個しかないことに反する.$
したがって(ⅰ),(ⅱ)より素数は無限個存在する.
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