しかし、彼が数学史を発展させる影の立役者であることは知られており、彼がいなければニュートンやライプニッツの活躍はなかったとされています。今回は、デカルトの偉業についてご紹介します。
スポンサーリンク
ルネ・デカルト
大学卒業後は、パリで多くの学者と触れ合って知識を増やしつつ、オランダに移住したりしながら数学的・哲学的な考え方を広めていきました。数学史に残る大発見というのはしていないのですが、数学の整備を行っていたため、その功績が認められています。
哲学にも数学的な考え方を導入し、最終的には「我思う、ゆえに我あり」という哲学の命題を残しています。
全てについて疑うという懐疑的な考え方が流行している中、「自分はなぜここにいるのか」と考えること自体が、自分の存在を認めるということになるという考え方です。近代哲学の基礎となっていることは間違いありません。
今でも、デカルトの哲学命題は有名であることが、彼の存在の大きさを物語っています。
数学の基礎を作り上げた
微分積分という分野はデカルトが生まれるもっと前から研究されている分野でしたが、その当時はまだグラフ化するということが一般的ではありませんでした。すべて文字で表すのが基本で、理解するまでに時間がかかる。
そこで、デカルトは「デカルト座標」を設定しました。我々が中高数学でよく描いてきた、x軸とy軸による平面座標のことを、デカルト座標と言います。彼はグラフをグラフとして描く方法を提示したのです。だからこそ、次の世代のニュートンやライプニッツは微分積分の分野で大きく活躍できたのでしょう。
それだけでなく、デカルトは「数値が不明なものをx、y、Z…」と表すこと、「既知数はa、b、c…」と表すことを設定。さらに、累乗は右上に数字を書くことで見やすくすることが出来るようにしたのも、デカルトです。また、2×yを2yと書くように設定したのもデカルトなのです。現代数学の基礎となっていることにほとんどは、デカルトが設定し、数学をより「わかりやすいもの」に変えています。
何か大きな発明や発見が行えたわけではないですが、彼は数学をより計算しやすく、わかりやすいものにすることをやってのけたのです。数学の基礎を作り出し、数学をより計算しやすく、わかりやすくすることで数学史を大きく前進させることの立役者になったのです。
哲学の分野に数学を取り入れた
例えば、「神がいるならば」「○○である」というように命題的な考え方を入れて、この命題が真であるから、神はいると証明するなど、やっていることは数学と変わらないのです。彼の考え方そのものが数学的であり、それによって大きな書物をたくさん出しています。
デカルトは、意思や感覚をすべて「真」か「偽」で表していました。
例えば、計算は時々間違えるから、すべてを計算で考えることは「偽」である。感覚もしばし間違えることがあるから「偽」というふうに、自分が生きている中で何が真として働いているのかをすべて検証していったのです。
そうやって考えていくうちに、心(精神)の延長が身体であることを基本として、哲学の考えを進めていったのです。
まとめ
デカルトは数学的な大発見をしたわけではありません。同時期にガリレオ・ガリレイがいたので、地動説などを提唱したいのもガリレオでしたが、デカルトも同じように地動説を考えていたことは記録に残っています。世の中にある「当たり前」を疑って、ひとつひとつを懐疑的に、疑いながら生活することで、彼が哲学史に残る大きな命題を残せたことに繋がっています。
また、数学の整備をしたことも功績のひとつです。すべてのことを命題で表すくらい、頭がキレて、考え方もシンプルでわかりやすい人間だったのかもしれませんね。
コメントを残す