天才数学者・フィボナッチ
アラビア数字による計算が記載されている「算盤の書」は、整数の四則計算について、分数の計算方法、商品の相場の計算や、両替、平方根や立方根について、代数の基礎と幾何学の基礎が書かれた書になっています。
そこに記載されているフィボナッチ数列は、現在も使われている有名な数列・黄金比です。
フィボナッチ数列とは
映画「ダ・ヴィンチコード」で謎ときに使われたのが、フィボナッチ数列だったことも有名ですね。
このフィボナッチ数列は、ひまわりや貝殻などの形から見つけられたことが、発見につながったといわれています。写真の構図などもフィボナッチ数列の黄金比に近づけるとバランスがよいともいわれていて、我々の生活に反映されていることが多い規則なのです。
フィボナッチは「能無し」というあだ名だった
見た目からも「天才」という印象はなく、学校でもそこまで目立った活躍をしていない人物でした。
しかし、幼少期から少し変わった行動をしていたのです。
それが、「あらゆるものを数えていた」というもの。木に止まっている鳥を見て、足は何本あるか、目が何個あるか、羽は何枚あるかというのを数えることに着目していったそうです。
花びらの数や、家の中の物の数をずっと数えている。フィボナッチは算術などを披露するのではなく、自然界にある数に注目して、そこにどんな規則性があるかを見つけていったのです。眺めて数えていたものが、段々と計算を含めたものになっていき「鳥が1分間に2回鳴くとしたら1日で何回鳴くか」という、今の算数の計算のような問題を自分で考えては、計算していたそうです。
数えることを重要視していたため、ぼーっとしている時間が多かったそう。
実際は脳が動いているのですが、周りから見たらぼーっとした子共だったので、「能無し」と呼ばれてしまったのです。ですが、そんなことを気にせずに、計算や数学の魅力に染まっていったのです。
フィボナッチの一番の功績は?
アラビア数字をヨーロッパに持ち込んだことが、彼にとって一番の功績と言えるでしょう。
フィボナッチ数列から導き出せる黄金比は美しさの象徴なので、現代の写真や絵画などにも利用され、黄金比を使った写真を人間が無意識にキレイだと思うことも、彼の観察眼から見つけられたものなので、こちらも大きな功績と呼べるのかもしれません。
フィボナッチの柔軟な思想はどこから?
この時代、ヨーロッパはまだキリスト教が根強く、数学や自然科学についての研究が遅れていましたが、アラブ地方では数学の発展が目覚ましく、フィボナッチは各国の長所を吸収しながら、独自の観察眼で数学の知識を深めていったのです。
フィボナッチの柔軟な思想は、あらゆる国を渡り歩いたことで身についたものだと考えられます。
まとめ
子どもの頃から数に興味を持っていた彼は、インドによってアラビア数字を使った計算を知り、より一層計算が出来やすいことに気付けたため、ヨーロッパに持ち込んだ人物です。微分積分といった数学も、アラビア数字があるからこそできたものだと言われているので、フィボナッチが行った行動は数学史に大きな影響を与えています。
発見したフィボナッチ数列は、何かの発明の下積みになったわけではありませんし、他になにか大きな発見が出来たわけではないですが、アラビア数字を広めたことはとても大きな功績と言えます。
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