【アラン・チューリング】数学者そしてPCの生みの親・イギリスの救世主

あなたがこの記事を読んでいる端末はPCでしょうか?スマホでしょうか?

ある数学者がいなければ、PCもスマホも無かったかもしれません。

彼の名前はアラン(・マシスン)・チューリング(Alan Mathieson Turing)。

アラン・チューリングはコンピューターの誕生に携わり、「AI(人工知能)の父」とも呼ばれています

実はイギリスをも救った偉大な人物です。

今回は映画にもなったアラン・チューリングの人生について紹介します。

PCの元祖・チューリングマシン

1936年、アラン・チューリングは「計算可能な数について(原題:On computable numbers, with an application to the Entscheidungsproblem)」という論文を書きます。

論文の内容は、電卓さえもない時代にコンピューターの原型に触れたものでした。

「計算する」という定義を証明するために仮想的な計算機を作りあげたのです。

チューリングマシンを簡単に説明すると、無限に長いテープとテープに書かれている記号を読み取る機械です。

入力と出力を繰り返すのですが、そこにルールつまりアルゴリズムを適用させます。

現代のコンピューターと極めてよく似た構造のため、「チューリングはコンピューターの原理を発明した」とも言われます

その後、自身でも「エース(ACE)」という名のコンピューターの開発を行ないました。

ちなみにAI(人工知能)分野の開拓者でもあり、学友クリストファー・モルコムの魂をマシンに蘇らせようとしたとの噂です。

アラン・チューリングのおかげで、みなさんが持っているPCやスマートフォンが誕生したと言っても過言ではないでしょう。

エニグマ解読、隠れた救世主

アラン・チューリングが生きた時代は第二次世界大戦中。

敵であるナチスドイツは「Enigma(エニグマ)」という暗号機を使ってやり取りしていました。

当時は最先端の装置で、世界で最も協力な暗号鍵を生成していました。

「Enigma(エニグマ)」の存在を通して、イギリスの商船を攻撃し、壊滅的な打撃を与えます。

イギリス側は、なんとしてもこの「Enigma(エニグマ)」を解読する必要がありました。

秘密裏に数学者達を集め解読に挑んだところ、大きく貢献したのがアラン・チューリングでした。

「Enigma(エニグマ)」を解読する装置「ボンベ(Bombe)」を製作したのです。

(※事が事だけに、彼が解読に携わったとはまわりの人達も知らず、その功績も20年以上経ってから公開されたとのことです。)

1941年にはドイツ海軍のUボートの位置などを正確に把握できるようになり、イギリスは情報戦に勝利します。

アラン・チューリングの「Enigma(エニグマ)」解読によって、イギリスを救ったのです。

同性愛者として迫害

1950年台、イギリスでは同性愛は違法でした。

1952年、アラン・チューリングがある男性と同性愛の関係を結んだことが警察にバレてしまいます

彼は有罪となり、刑務所に入るか保護観察かの選択に迫られます。

保護観察を選ぶものの、当時性欲を抑えると考えられていた女性ホルモン注射を余儀なくされます。

結果的に友人や仕事仲間に私生活を知られ、仕事を続けられなくなりました。

2年後の1954年、アラン・チューリングは亡くなります。

彼の側にはかじりかけのリンゴが落ちており、青酸カリが塗られていたと言われています。

41歳という若さでした。

この出来事をきっかけに同性愛者への迫害が問題視され、イギリス政府への謝罪を求める署名活動が活発になります。

政府は2009年に謝罪し、2014年には恩赦されます。

また、同性愛禁止法(現在は廃止)に違反したとして有罪判決を受けたまま亡くなった男性達についても赦免すると発表しました。

同性愛者への措置は「アラン・チューリング法」と呼ばれています。

新50ポンド札に

アラン・チューリングを描いた新50ポンド紙幣が2021年末までに流通する予定です。

紙幣には彼に関するモチーフが組み込まれています。

  • 1951年に撮影されたアラン・チューリングの顔写真
  • 1936年の論文に残されている図表と数式
  • アラン・チューリングが設計したコンピューター「エース(ACE)」
  • エニグマ暗号の解読に使われた計算機「ボンベ(Bombe)」

イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は「現在の生活に大きな影響を与える、傑出した数学者だ」と選出した理由を述べました。

暗号解読に数学、コンピュータ科学などさまざまな業績を残したアラン・チューリングだからこそ、新札の顔として選ばれたのです。

まとめ

激動の人生を歩んだ数学者アラン・チューリングについてまとめました。

  • パソコンの基礎構想を生み出す
  • 超難問の暗号「Enigma(エニグマ)」を解読
  • 同性愛者迫害を受ける
  • 新50ポンド札の顔として選出

激動の人生は映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』にもなっています。

アラン・チューリングは類稀なる頭脳を持っていながら、生きている間はあまり評価されませんでした。

PCやスマホを触る時一瞬でも、苦難の道を歩んだアラン・チューリングを思い出してあげてください。

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