アルキメデスは2000年以上前の天才数学者です。
当時「てこの原理」や円周率を証明していますし、現代にも「アルキメデスの原理」・「アルキメデス・スクリュー」といった名前が残されています。
エピソードもいくつか言い伝えられており、アルキメデスの性格が垣間見えます。
今回はアルキメデスに関する4つのエピソードを紹介します。
アルキメデスの数学にかける熱意や、まわりからの評価を知れば、彼をもっと身近に感じられるでしょう。
死ぬ直前も計算
アルキメデスのマイペースっぷりは命が尽きるときのエピソードから分かります。
アルキメデスは紀元前3世紀に、イタリアのシチリア島シラクサで生まれ育ちました。
生年はBC287年頃と予想されていますが、定かではありません。
一方、没年はBC212年とはっきりしています。
この時代、シラクサはローマと戦っていました(第二ポエニ戦争)。
アルキメデスは投石機や船を転覆させる兵器(アルキメデスの鉤爪)、熱光線兵器いわゆるレーザービームなど数々の兵器を発明しました。
2年間ローマの占領を阻みましたが、結局負けてしまいます。
ローマの将軍は兵たちにアルキメデス含むシラクサ住民の殺害を禁止していました。
ある日アルキメデスは地面で計算や図形を書いて、考えていました。
通りがかったローマ兵はアルキメデスに声をかけますが、無視されてしまいます。
「図形に近寄らないでくれ!」と言い放ったという説もあります。
どちらにせよローマ兵はアルキメデスにイラッとしたのでしょう、その場で彼を殺してしまいました。
享年75歳。
アルキメデスが天才だということを知っていた将軍は嘆きましたが、後の祭りでした。
裸で「エウレカ(分かった)!」
アルキメデスと言えば定番の、裸で「エウレカ!」と叫んだエピソードを紹介しましょう。
「エウレカ(Eureka)」はギリシャ語で、「分かった」「発見した」といった意味を持ちます。
日本語では「ユリイカ」・「ユーレカ」・「ユレカ」と書かれることもあります。
ちなみに、米カリフォルニア州のユーレカという都市はこのエピソードが由来だと言われています。
他にも雑誌やテレビ・アニメ番組のタイトルに含まれているので、聞いたことがあるのではないでしょうか?
イタリアのシチリア島シラクサの王ヒエロンは、金細工職人に金の王冠を作らせました。
しかし王は疑い深く、「本当に金だけで作ったのか?他の物質(銀)が含まれているのではないか?」と考えます。
王はアルキメデスに、王冠を傷つけずに確かめて欲しいと依頼します。
アルキメデスが難問の答えを見つけたのはお風呂に入っているときでした。
王冠と同じ重さの金を水に入れ、溢れた水の量を測ればいい!
複雑な形状でも浮力を利用することで解決できる、そう分かって興奮したアルキメデス。
お風呂を飛び出し、裸のまま「エウレカ(分かった)!エウレカ!」とわめきながら王のもとへ走っていったのです。
結局、金細工職人は金をごまかしており、死刑にされたとのことです。
この話は「黄金の王冠」と呼ばれ、原理は「アルキメデスの原理」として有名になりました。
現在も金やプラチナの含有量を調べる手段として「アルキメデスの原理」が使われています。
地球もてこで動かせる!?
アルキメデスは「てこの原理」もすでに理解していました。
小学校でも習った、支点と力点・作用点の位置関係で重いものも持ち上げられるという方式ですね
棒の長さが長ければその分、必要な労力が少なく済みます。
アルキメデスの「私に支点を与えよ、そうすれば地球でも動かしてみせる」のセリフも有名ですね。
フィールズ賞の記念品に横顔
現代数学のノーベル賞とも言われる「フィールズ賞」。
1936年に作られた賞で、アルキメデスとはあまり関係ないように思えます。
実は、記念メダルの表面にはアルキメデスの横顔とラテン語(「己を高め、世界を捉えよ」)が刻まれています。
メダルをよく見ると、「APXIMH OYΣ」つまり「アルキメデスの(顔)」という文字も読めます。
裏面はアルキメデスが関係性を発見した、球と円柱が描かれています。
数学・物理学などさまざまな分野で輝かしい功績を残したアルキメデス。
死後2000年以上経った今もなお、尊敬すべき数学者のひとりとして考えられていることが分かります。
まとめ
アルキメデスは紀元前3世紀に生きた数学者であり、物理学者・発明家でもありました。
彼の予想した理論は正しく、現在では「当たり前」と考えられることを当時発見してきました。
そんなアルキメデスに関するエピソードを紹介しました。
- 死ぬ直前も計算
- 裸で「エウレカ(分かった)!」
- 地球もてこで動かせる!?
- フィールズ賞の記念品に横顔
アルキメデスの性格はマイペースで、熱中すると別のことは見えなくなっていたようですね。
その集中力があったからこそ、数学の発展に大きく貢献したのでしょう。
「アルキメデスの原理」や「てこの原理」といったキーワードを耳にしたら、生前のアルキメデスを想像してみてくださいね。
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